
全学日協について

<<<<ごあいさつ>>>
全日本学校法人日本語教育協議会(以下、全学日協)は2017年に、法務省入国管理局の告示校の中で、文部科学省・都道府県から認可を受けた学校法人の日本語教育機関が集まって作られた組織です。発足の目的は、国の認可を受けた学校法人立の日本語学校の責務として、日本語教育を通して日本社会の発展に資することのためです。
私は、初代の長沼一彦代表理事(長沼スクール)、二代目の江副隆秀代表理事(新宿日本語学校)のあとを継ぎ、全学日協の代表に就任いたしました。代が変わりましても、日本語教育に懸ける思いは変わらずに、より一層の活動の充実化と会員校の発展と成長に努力していきたいと思います。
世界情勢が激しく揺れ動き、予測の立てにくい状況の中で、私たちが日本語教育機関としての道義的な役割を果たすための最善の方法を考えた場合、まずはお互いの協力こそが必要です。会員校は全国に散っており、それぞれの地域で、それぞれにふさわしい日本語教育に取り組もうとする親戚同士のような間柄です。困ったときはみな同じで、互いに情報を共有し、解決方法を模索し、困難を乗り越えていく。そして、それぞれの日本語教育の取り組みに敬意の念をもってたたえあい、研鑽しあう。こうして組織としての優位性を生かすことで、各校の学校経営の支えとする。これが学校法人立の日本語学校組織としてふさわしいありかたと考えております。
〔日本語教育そのものを追求する団体〕
日本語学校は時代によってその役割を変化させながら数を急増させています。それというのも事情は様々ですが、端的に言えば常に需要があったからです。しかし、激しい状況の変化の中で時代に翻弄され、見落とされてしまったのは、日本語教育そのもののありかた、質です。全学日協はそこで、2016年に情報交換の連絡会としてスタートし、2017年に一般社団法人となりました。
〔温故知新の姿勢での取り組み〕
「温故知新」という言葉は、どの時代にも生きているものです。
私達は、1950年に設立された学校法人長沼スクール東京日本語学校を始め、1975年に設立された学校法人江副学園新宿日本語学校など、教育の歴史と蓄積がある学校法人立の日本語学校を中心に、過去・現在・未来を視野に入れた日本語教育のあり方を問い続ける団体として誕生しました。
私達は、学ぶべき課題を過去の歴史と照らし合わせながら、未来に活かす組織です。
〔実際の行動・知識と経験の共有と連携〕
団体の会員校は、それぞれにスピーチコンテストやその他の学生中心の催し物を独自に開催しております。現在、相互に参加、協力し合い、それぞれの良さを互いに吸収して、会員校全体、日本語教育界の質の向上に努めます。
また、災害時における会員校同士の協力体制の構築により安定的な組織づくりをめざします。各省庁、各団体はもとより、国内外の大学や海外の日本語教育機関といった外部組織との連携もはかり、ネットワークの強みを生かした取り組みにより会員校の活動の幅を広げる支援を行い、各校の留学生やその周辺地域で暮らす人々が恩恵を享受できるように努めます。
〔もう一つの課題〕
日本語教育の裾野の広がりに伴い、日本語教育や日本語教育機関の目的も拡大しつつあります。従来は、「進学等の通過機関としての役割」が大きかったのですが、来日する学習者を見ると、既に自国で高等教育を受け、来日目的が日本での就職という例も拡大し、「日本語教育そのものを目的とした機関の役割」へと拡充しています。
また、2024年に認定日本語教育機関の制度が開始されました。学校法人立の日本語学校として、日本と、この国の母語である日本語の位置づけ、日本語学校という教育機関に何をもたらすのか注視していくと同時に、こうした変化への対応を踏まえて、より充実した体制のもとで昇華させることも活動の一つと捉えております。
〔研究会の開催と講習会の開催〕
歴史と経験のある学校が集まり、日本語教育を中心的な課題として協議をする組織です。若手教員の育成をはじめ、「日本語教育の参照枠」の活用やAIを用いた日本語学校業務の勉強会、外国人留学生の防災教育体制など、継続的な学校運営体制の強化にも力を注いでいきたいと考えております。
歴史ある学校が集まり、過去・現在・未来を見据えた活動を開始し、ともに日本語教育の発展に貢献していきたいと考えております。
理念
社会の一員としての日本語学校のあるべき姿を追求し、自らを高める意欲と行動の下に、その果たすべき役割の実現を目指し、延いては全ての日本語教育機関に一石を投ずることを希求する。その運営は会員が一致協力・協調して当ることを旨とする。
- 日本語学校は社会の一員であることを自覚すべきである。
- 教育機関の一として、その社会的責任は言うに及ばず、教育の品質の保証・外的環境の変化などに対応する力を常に備えるべきである。
- 本来期待される役割をもっと広く捉えるべきで、外国人の受け入れのみの教育機関と自らを規定することは必ずしも正しくないと考える。
- 上記を含め、"より良い社会の一員"であるべき日本語学校の地位向上の為にも、問題意識を持ち・良識ある学校法人が結集し、共に行動をすることとする。
- 会員には、協議会として取り組む活動と課題の克服のために、旺盛な意欲と行動力をもってことに当り、協力・協調することが求められる。以って各自の飛躍並びに経営の活性化に資することを志向する。
- 協議会は、積極的な活動並びに説得力ある提言を通して、これからの社会並びに世界に求められる日本語教育機関の新しい姿を主導せんとし、その使命感と気位を持つべきである。
目的
- 会員校に貢献する。
- 日本語学校の教育の質に貢献する。
- 学校法人のレゾンデートルを高める。
- 日本語教育界に貢献する。
- 日本・国際社会に貢献する。
ミッション
- 学生確保,市場確保に貢献する。
- 教育の自己点検に貢献する。
- 教育の評価施策に貢献する。
- 日本語教育機関の類型化に貢献する。
- 広範な人材育成に貢献する。
沿革
2017年8月 設立準備会(学校法人立日本語学校11校)
2017年9月 一般社団法人設立登記完了
2017年9月 日本語教育推進議員連盟と日本語教育振興基本法の協議
2017年9月 文化庁「第8回日本語教育推進会議」
2018年1月 文化庁「日本語教育人材の養成・研修の在り方」
2018年3月 日本語教育推進議員連盟と日本語教育振興基本法の協議
2018年6月 文化庁「日本語教育人材養成・研修カリキュラム等開発事業」
2018年9月 文化庁「第9回日本語教育推進会議」
2021年9月 「コロナ禍における日本語教育機関の経営実態調査」報告
2021年11月 全省庁統一資格取得
2021年~ 文化庁「令和3年度ウィズコロナにおけるオンライン日本語教育実証事業」
2024年6月 日本語教育の参照枠研修会(第1回)
2024年8月 日本語教員試験オンライン研修会
2024年9月 日本語教育の参照枠研修会(第2回)
2024年12月 AI活用セミナー
※出入国在留管理庁,文化庁,文部科学省,日本語教育推進議員連盟等と協議活動
※会員校研修